ナイフの主役 古典ナイフのメンテナンス方法について
目次
古典ナイフのトラブル対処方について私のやり方を書きました
初心者ナイフの次に古典ナイフに移ったら、もうずっと古典ナイフを中心に使う方がほとんどでしょう。
でもデリケートな古典ナイフの刃は長く使うと切れ味が落ちるし傷んでしまう。
刃がガタガタになったらソープの表面がつるっつるにならない。
大事に使っていても刃先が曲がったり欠けたり折れてしまったりのトラブルはつきものです。
サンドペーパーで研いだり砥石で直したりする方法はネットを探せばいろいろ出てきます。
そんなこんなをまとめてみました。完全な解決法を書いているわけではありません。ゴメンナサイ。
1 修理の基本はやっぱりサンドペーパーです
サンドペーパーは耐水性のものを使いますね。
と、書きだしましたがわたし、じつはカービングを習いだした初期のころに耐水性ではない普通のサンドペーパーで何回か研いだことしかないのです。
仕事柄刃物にさわることが多くて、しかも砥石が身近にあるので「砥石で研ぐほうが早いわ」となってしまいました。
2000番という目の細かいサンドペーパーでも刃がギザギザになるような気がしてたんです。
でもこれまたわりと初期のころに、ナイフで研ぐ先生方のソープ作品がツルツルピカピカなので、肝心なのは腕前と分かったんですけどね。
なので通常は、切れ味を戻すのはサンドペーパーでササっと研いで、もう少し大きい問題が起こったときに砥石を使うのが合理的だと思っております。
大きい問題とは、目の大きめのペーパーから順番に目を細かくして直さないといけないような傷が刃についてしまったとき、もしくは大きめの欠け、または曲がり、そして折れが発生したときでしょう。
2 折れたり欠けたら砥石が便利です
傷のとき
サンドペーパーを使っていない私が言うのも説得力のない話ですがお許しを。
傷の大きさにもよりますが、番手の小さな、目の粗いサンドペーパーで研ぎ始めて徐々に目を細かくして、全部で三段階くらいに分けて研げば比較的直せる傷もあるでしょう。
わたしも修行のつもりでつぎに自分のナイフを研ぐ必要があるときはサンドペーパーを使ってみます。
曲がりのとき
曲がり以上の症状の時は砥石で対処しないと無理だと私は思います。理由は、曲がった部分は落としてしまわないといけないからですね。
わが師匠の教室、Atelier-RINで一緒にレッスンを受ける方たちのナイフ直しをさせていただくにともない、刃を長持ちさせるためになるべく削らず、折れた刃先をなんとかまっすぐに近い状態に戻してみたのですが一旦弱ってしまった金属は弱い力でまた曲がると思い知りました。
包丁では曲がるというのはあまりないですから、カービングナイフの場合を実際にやって確かめてみたんですがダメでした。
なので曲がったナイフの修理を受けたときは曲がりの影響を受けた部分まで削り落とします。つまり
① 曲がった部分をその個所よりもほんの少し多めにあら砥石で落す。そのあと刃の峰のほうから形よく同じくあら砥石で形を合わせてとがらせる。(安心しな、ミネウチでごんす。とかいうあのミネです)
② その後、ここまでのあら砥石での研ぎ作業中にダメージを受けた個所は中砥石で研ぐ。
③ 仕上げ砥石で刃の全体を研ぎあげる。
という作業を行います。
折れたとき
折れてしまうと「うわあ大変!」と思ってしまいがちでしょうけれど、作業は曲がりの時と同じになります。
作業する者からすると曲がり部分を除去する作業が少ない分少し楽だったりします。
刃先が欠けるときにはそれなりの力がかかっているので折れ方によってはやはり1mm近くさらに余分に落とす必要があるときもあります。
ナイフがひどく痛んで自分ではどうにもならないときもありますね・・・
ネットで探して、情報が見つかったとしても技術的にムリ、とか時間がない、とかの場合は・・・
3 研ぎ屋さんに出しましょう
研ぎ屋さんを見つけましょう!
いきなり突き放す無責任さをお許しください。
流れ的にここは「私が研ぎましょう、送ってください!」やろ!!とは思います。
でもそうじゃないんですゴメンナサイ。
カービングナイフはけっこう特殊なので、近所を回る研ぎ屋さんでも引き受けてくれる方は少ないかもしれません。
今は分かりませんが5年前に大阪なんばの道具屋筋で有名包丁店に販売してないかと出かけたときに、その道数十年の店員さんにカービングナイフの存在さえ分かってもらえませんでした。実物をもっていってなかったのです、天下の道具屋筋にならあると思ってたから。
それぐらい刃物専門家でも知らない人が多かった時代がほんの数年前までありました。
ちなみにカービングナイフって肉をカットする西洋ナイフもそう呼ぶので、それはいっぱい置いてありました(カンケイナイ)
でも1本4,000円とかそれ以上するカービングナイフです。研ぎ屋さんを回って直してくれるところに渡りをつけて何とか復活させてあげてください。
カービングを独学ではなく先生についてお習いになっている方々はアトリエの先生に相談して何とかされているんでしょうね。
うちのアトリエでは以前は先生が頻繁にタイに行かれていたのでその時に生徒様からお預かりしそれをタイで先生に預けて、次の訪タイ時に引き取って帰るということをされていました。
今はコロナウイルスの影響で海外渡航ができないのでそれはできにくいですしね。
日本で研ぎ屋さんを見つけるほうが簡単かもしれません。
刃物が好きな人にはカービングナイフ研ぎは、ちょっとトライしてみたい魅力があるヤツなんですよね。チャンスありです。
とはいえネット情報でも動画ってないですね
これも習い始めのころの話ですが、ナイフトラブルにはみんなどう対処してるのかな?と思い、ネットで情報をさがしたことがありました。
一軒だけネット経由で受注して古典ナイフの折れ修理をされている方がいましたが、その後すぐにそのリンクがつながらなくなりました。
ナイフを研ぐ仕事に就く方や趣味の方は少しの情報があれば自分の技術を調整して対応できると思うのですが、古典カービングナイフを研ぐ動画って当時からほとんどありませんね。
一つ本職の研ぎ屋さんの動画があって、再生件数がえらいことになっていましたが、その方は本職中の本職で、繊細なカービングナイフの刃を研ぐのに治具(ジグ)を作って作業されている様子を公表されているという、素人には絶対にまねのできない技術だったのでなかなかねえ・・・
私もそれを思い出したこの機会にあらためてネットを探してみようと思います。
4 年内にでも動画をアップしようかと思います
できれば年内にでも修理の様子を映した動画をYoutubeでアップしようかなと思います
張り切って大見得を切って自分が苦しくなるパターンかもしれませんが、せっかくなんでトライしてみようと思います。
実はあら砥石で削る部分の作業以外はテーブルの上でも(椅子に座って)できる作業なんですよ。
砥石を買わないといけませんけどこれもホームセンターで売っている粗目と中目が張り付いている両面砥石が比較的お安く手に入りますのでチャレンジしやすいかもしれませんね。
amazonとか楽天のネットでも売ってると思いますし。
5 まとめです
少しの刃の欠けくらいまでならサンドペーパーを駆使して直るのではないでしょうか。
切れ味を上げるための研ぎは回数をこなせば感覚も研ぎ澄まされてうまくなっていくでしょう。
大きく欠けたらできるだけ直して石鹸じゃなくフルーツ専用にするとかもありかもしれません。
先に書いたように私もペーパーで研ぐ経験を積んでみようと思います。
タイトル通り私のやり方を書いただけですがカービング初学者の方に少しでも参考になっていればうれしいです。
研ぎ動画について
動画って編集するのが大変なので時間がかかると思って年内と言っています。
現在は先が曲がったナイフの修理を一本お引き受けしていまして、静止画ならアップしやすいので修理の様子を動画より先にここに載せようと思っています。いわゆる新型ナイフというものでこれは初めてなので楽しみで腕をぶんぶん回して気合を込めています。
はよ研げよという感じですが集中してやりたいので次の休みの日に研ぎます。。
依頼主さんにはブログ掲載の許可をいただいています、念のため。ね、K.T.先生^^
長々とお読みいただきありがとうございました。