上級者用古典カービングナイフ 曲がったときの修理方法 準備編

曲がってしまった古典ナイフを修理する、実際の様子を記録しました

曲がっただけではなく折れたり欠けたりした時も修理手順には共通する手順があります。

まずは共通する準備の部分を説明します。


状態を確認し、修理が可能な状態かどうかを調べます

ナイフの状態を正確に確認するために大体の場合、ひとまず洗います。

きれいな場合はこの手順はいりません。刃の部分の全体をしらべます。

次に修理方法を決める

修理方法を決めるためにまずは修理の最終目標と方針を決めます。

依頼主さんにその内容をお知らせして確認をもらいます。

曲がり、折れ、欠けの場合の修理は、ほとんどがその部分を削り落とす方法になりますね。

該当部分が本当に小さい場合は峰から研ぎあげることで済む場合はあります。

どちらにしても刃渡りが短くなるのでその点は必ず依頼主さんにお知らせして事前に了解を得なければいけません。

私の場合は依頼をお受けする前にその了解を取っていただいている状態であることがほとんどです。

今回お預かりしたのは新型の上級者用ナイフです。

持ち手が細い新型ナイフ

そして先端が曲がっており、拡大すると切っ先に欠けも見られます。

画像が粗くて見にくいようですね。

右側の画像、先が欠けているのが見えますか?

欠けの部分を拡大してみるとこんな感じです。

ズームするとショッキングな画像になります

修理に使う道具を準備する

次は道具の準備です。砥石を使って修理する場合の説明ですから砥石がメインの道具です。

砥石を準備する

通常私は3種類の砥石を使います。

  • あら砥石
  • 中砥石
  • 仕上砥石

です。

砥石の前準備

☆水を浸み込ませる

あら砥石と中砥石は使う前に、最低の最低でも30分は水に浸して水をしみこませておかないといけません。

30分といわずもっと長いほうがいいので夜就寝前に水につけておいて起きてから研ぐとかというのもありです。

仕上げ砥石は水につけておく必要はありません。使うときに少量の水を砥石の上にかけてから研ぎ始めればオッケーです。

☆必要であれば砥石の面直しをする。

砥石を使うと砥石自体が削れて表面がい歪みます。慣れていたり大きな刃を研ぐときには多少の歪みな無視できますが、小さく柔らかデリケートな古典カービングナイフはまっすぐな砥石でないとうまく研げません。なので面直し(ツラなおし)が必要になります。面直しも砥石に水を浸み込ませてから行います。

やり方は、砥石と砥石の研ぎ面同士をこすり合わせて直します。

目の細かいほうが削れてまっすぐになっていきますので仕上げ砥石を直すときは中砥石と合わせ、中砥石を直すときはあら砥石と合わせます。
面直しの時は仕上げ砥石でも水分がないとできませんので少しずつ水をかけながら行いますが、これは次回説明します。

ではあら砥石はといいますと、専用の道具が必要だったりします。でもあら砥石はめったに使いませんし、使うときにもあら砥石での研ぎ上りは比較的粗くていいのでそれほど面直しはいりません。表のブロックに水をかけながら直すとよいと聞いたりしますが、実際はブロックがすぐに美しくつるつるに研ぎあがって砥石を直すのにはあまり向いていません。

面直し用砥石の画像をアマゾンさんからもらってきますと、

こんなやつとか、

こんなやつです。

砥石を乗せる場所

砥石を乗せて固定する必要があります。
これは固く絞った布の上で安定させて使うのが手間もかからず良いでしょう。


切れ味を直すための研ぎの場合で小さい砥石を使って優しく研ぐのであれば、新聞紙に水を含ませて折りたたんでその上で研ぐと後片付けも楽です。
大きめの砥石を使うことが多く、使い古しのタオル等を専用におろしているため私はあまり新聞紙は使いません。

流しの周りが汚れないように流しに渡して使える専用の道具もありますね。
自分では使ったことがありませんが和食店を営む友達が使っているのを見たことがあります。
便利そうでした。

またまたアマゾンさんから

ちなみに私は厨房機器の梱包に使われていた木製の枠を流し台にはめ込んで使っています(タダ)

そのほかに秘密兵器っぽいものがありますがそれは秘密です。

まとめ

今回は準備編としてここまでです。

この辺までがナイフの修理をおこなう前の準備作業として共通している部分ですね。

次回は実際に砥石を使って研ぐ作業を画像と合わせて説明しようと思います。

と、終わろうと思ったのですが、アマゾンの商品を見ていて私の物欲がいたく刺激されてしまいましたよ。

こんなんありますやん。

実際に使うといろいろ思うところも出てくるかも知れませんが、お買い得感満載ですやん。

ちょっと話の種に買ってみようかと思ってしまいました。

最後は脱線しましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。

次の実践編をお楽しみに。

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